海辺のカフカ 彩の国さいたま芸術劇場

さいたま芸術劇場で村上春樹原作・蜷川幸雄演出の「海辺のカフカ」を観てきました。原作は読んでいません。

開口一番ネタバレで申し訳ないのですが、「並行世界」や「時空」などという私が大好きな言葉で表現できる世界観を舞台上で構築しており、さすが蜷川さんだなと感心しました。

さて、いつものシェイクスピア・シリーズとは違い、物語は淡々と進みます。(ひっそりとか静かという言葉が似合います。)

カフカ役の柳楽優弥君は15歳の少年のちょっと語尾を上げる話し方が自然でした。ナカタさん役の木場勝己さんと大島さん役の長谷川博己さんが安定した演技で、カンパニーの背骨になっていました。

佐伯さん役の田中裕子さんは大竹しのぶさんとはまた違った「天才」です。透明感のある演技で儚くも強い女性を演じていました。

パズル・ピースがピッタリはまった感じで、熱狂とは違う静かな満足感で劇場を後にしました。