麦ふみクーツェ@世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアターつながる音楽劇「麦ふみクーツェ」〜everything is symphony!!〜を観てきました。

クーツェ4
原作:いしいしんじ「麦ふみクーツェ」
脚本・演出:ウォーリー木下
音楽監督:トクマルシューゴ
キャスト:渡部豪太(ねこ)
皆本麻帆(みどり色)
朴璐美(新聞記者/ねこの母親)
植本潤(先生)
木戸邑弥(生まれ変わり男)
小松利昌(用務員さん)
田中利花(家政婦さん/鏡なし亭の女主人)
松尾貴史(郵便局長)
尾藤イサオ(おじいちゃん/鏡なし亭の主人)
佐藤宣美(医者/国立オーケストラの主任)
ダンドイ舞莉花(看護婦/白いワンピース)
熊谷和徳(クーツェ)映像出演
有田杏子(トロンボーン/配管工)
牛尾茉由(フルート/花屋の妹)
岡田啓(ファゴット/教頭先生)
小林うてな(打楽器、マーチングドラム/肉屋の妻)
斎藤彰子(クラリネット/宿屋の女主人)
田中馨(コントラバス/肉屋の主人)
永滝元太郎(ホルン/巡査)
兵頭祐香(ピアノ/音楽教師)
松延耕資(サックス/花屋の兄)
三浦千明(トランペット/灯台守)
山本直輝(チューバ/酒場の主人)
ヨース毛(チェロ/役場の出納係)
村上貴亮(ねこon stretcher)

そもそもはさいたまARTS21のイベントでたびたびファゴットを演奏してくださっている岡田啓さんが出演されるということで観に行くことにしたのですが、観客参加型のとても楽しい舞台でした。(動画はこちら
クーツェ2
原作はいしいしんじさんの「麦ふみクーツェ」です。ファンタジーのような不思議な話を舞台に合わせて設定を少し変えて上演しています。どこともわからない国のどこともわからない港町の吹奏楽団で「にゃ〜お」と鳴くパートを担当する主人公「ねこ」がチェリストの「先生」の指導で指揮者として成長する物語…ってこれじゃわかりませんね。

事前に「観客はそれぞれ、一人が一個ずつ、何か音の発するものを持参すること」(ただしサイレンのみ禁止。)という注意書きがあったので、私はこんなものを持って行きました。エッグシェイカーといいます。手に持ってシャカシャカします。ちなみにとなりのお嬢さんは賢くも「MINTIA」(ミント・タブレット)を持ってきていました。演奏もできるし、休憩中に食べられます。後ろの方は入浴剤をカシャカシャしていましたし、ウクレレやバイオリンを持ってきている方もいらっしゃいました。

キャストは大きく分けると「舞台俳優だけど楽器も演奏する人」と「プロの演奏家だけど演技もする人」です。私が大好きな植本潤さんはチェリスト役なのでもちろんチェロを演奏されます。なかなかです。

ファゴットの岡田啓さんは話しだすとやたらに長くなる教頭先生役をコミカルに演じていらして、キャーな感じでした。他の演奏家の方たちも役者として舞台を駆け回っていました。吹奏楽団としての演奏から効果音まですべて自前でやっていました。

タップダンサーの熊谷和徳さんは今はやりの「プロジェクション・マッピング」で「ねこ」にだけ見える「クーツェ」を演じています。最後の最後でクーツェの正体がわかります。

「みどり色」という名の女の子を暗示するモノトーンの舞台・衣装も凝っています。とにかく最初から最後まで音楽に溢れたすてきなステージでした。実はこれ以前にも「観客参加型」のステージを観てきたのですが、これほどすんなり入り込めるステージはこれが初めてです。それはきっと郵便局長役の松尾貴史さんと家政婦さん役の田中利花さんが上手に場の雰囲気を和らげてくださったからだと思います。

音楽はトクマルシューゴさん。サウンドトラック発売中です。吹奏楽用(オーケストラ用)の楽譜がついていますが、目がいい人向きです。(または老眼鏡の用意が必要です。)クーツェ3

今日が東京公演の千秋楽でした。4月23日(木)からは大阪のシアターBRAVA!で上演されます。