朽ちるインフラ – 忍び寄るもうひとつの危機

私が公募市民として(全く戦力にならないながらも)参加している「公共施設マネジメント会議」の座長である東洋大学の根本祐二先生の著書です。ブクログに一足先にレビューを書いたのですが、それをふまえて感想を書きたいと思います。

かなり恐ろしい本です。退くも地獄、進むも地獄…という感じです。

まず、老朽化していくインフラを、目前の利益や根拠のない楽観のために見て見ぬフリをした場合におとずれる取り返しのつかないバッドエンドの未来の日本の姿から始まります。

そして、それはデータを検証すればするほど、確実におとずれる未来であることがわかります。さまざまな対応策が示され、最後にたぶんこれがより良い姿だろうという予測が示されます。

ところがこの予測は大変な苦行なのです。地方自治体単位の善処ではどうすることもできない問題で、当然ながら国政がその方針を転向して、国民の理解のもと何十年もかけて取り組まなければならないことです。現在の国政を考えるととても実現できるとは思えないほどのパワーが必要です。

正直、「これは無理だ」と思わざるを得ないほど、多くの人を説得しなければなりません。各自治体でさえ、住民に納得していただくのは至難のワザだと思います。

そしてそして、これが最も恐いことなのですが、公募市民として会議に参加している私にも、さいたま市民に納得していただけるよう努力する義務があるということです。本当に私にできるんだろうか…。