ヘンリー四世 @彩の国さいたま芸術劇場

蜷川さんの彩の国シェイクスピア・シリーズももう27作目になったんですね。今日は「ヘンリー四世」を観てきました。第1部・第2部合わせて4時間20分ですが、とても短く感じました。

ヘンリー

あらすじは下記のURLがわかりやすかったです。
ヘンリー四世 第1部
ヘンリー四世 第2部

主な配役は、
吉田鋼太郎:フォルスタッフ
松坂桃李:皇太子ヘンリー(ハル王子、のちのヘンリー五世)
木場勝己:ヘンリー四世
立石涼子:クイックリー(居酒屋のおかみ)
星 智也:ハリー・パーシー(ホットスパー)他
冨樫 真:パーシー夫人/ドル・ティアシート
磯部 勉:ウェスモーランド伯爵
瑳川哲朗:バードルフ

ランカスター公ジョンを演じる予定だった矢野聖人さんがけがのため、代役としてさいたまネクスト・シアターの白川大さんが演じました。ちなみに白川さんは好演していましたので、矢野さんが途中で復帰した場合に求められるハードルは高いような気がします。(以前、矢野さんの「身毒丸」を観ました。)

舞台は血を血で洗うイングランドの戦国時代の物語ですが、これは喜劇です。主役はフォルスタッフなんですね。この男がもう、飲んだくれで嘘つき、権威をかさに悪さを繰り返す…というどうしようもないキャラクターなのですが、吉田鋼太郎さんがとてもキュートに演じて、笑いの絶えない舞台でした。

松坂桃李さんはこれが舞台初出演とは思えない懐の深い王子様ぶりで、だれも拾えなかったフォルスタッフ(吉田さん)のアドリブをきっちり拾って返してみせました。これからもたくさん舞台を演っていただきたいなと思いました。

個人的には昔から観てきた「子どものためのシェイクスピア・カンパニー」でおなじみの間宮啓行さんがピストルという悪(わる)役で同じくカンパニーだった吉田さんとやり合う場面があって、さすがの呼吸で嬉しくなってしまいました。

蜷川さんの喜劇はいまいち…と言われることもありますが、この「ヘンリー四世」は役者にも恵まれてとても楽しい舞台となりました。