新しい公共を考えるフォーラム「これからの公共をになうのはだれ?」

昨夜、さいたま市誕生10周年記念事業新しい公共を考えるフォーラム「これからの公共をになうのはだれ?」基調講演・対談・パネルディスカッションが浦和コミセン・多目的ホールで開催されました。

基調講演は元杉並区立和田中学校校長・藤原和博さん。「子どもたちの未来と大人たちの今」というタイトルでした。

藤原和博さんの写真

藤原さんはカリスマ校長らしく、話し振りも内容もとてもおもしろかった。和田中学校は学校を広く地域に開いていて、コミュニティの方々も学べるし教えられる…という「コミュニティの核となる学校像」としては理想とすべき姿だと思いました。特に、授業以外に地域の人たちが生徒の勉強をみるというシステムを「しっかり検討して決める前に、まずは小規模でも始めてみることが大切」というお話は、参考になりました。

清水さんと藤原さん

対談は清水市長との教育問題の対談となりました。さいたま市にも放課後チャレンジスクールや土曜チャレンジスクールが始まっていますが、まずなにより「学校が地域に充分開かれていない」という意味で、和田中学校のようには絶対なれないな…と感じました。これはいくら清水市長が「やります」と言ったところで、現場の先生方が「子どもたちの安全のために、部外者の立ち入りを制限する」ことを辞めない限り、絵に描いた餅だろうと思うからです。

さて、パネルディスカッションは基調講演と対談をふまえて行われると思っていましたが、全くの別物でした。

新しい公共のパネルディスカッション

今回のパネルディスカッションでさいたま市における「新しい公共像」が見えてくるのかなと思いましたが、それぞれの分野(NPO、企業、自治会)の事例発表に留まった感があり、がっかりでした。その中でも、ホームレス状態の方を支援するNPO法人ほっとプラス代表の藤田さんのお話は前向きに「新し公共を担う上での問題点」を提起したことは、評価できると思いました。

自治会の代表の方は、「私たちの自治会はこんなことをしています、すごいでしょ。」という自慢話と「自治会に入らない人にゴミを勝手に捨てられて困るのよ。ホームレスをどかすのが大変だったのよ。」という驚愕の愚痴話で、変な意味で会場に戦慄が走りました。

コーディネータの方も苦心されたと思いますが、「迷走」というにふさわしいパネルディスカッションとなりました。